成績だけで高校を選ぶと、のちに不適応を     起こす可能性が高い?

みなさんは高校に進学する際、どうやって学校を決めていますか? 成績(つまり、入れる学校)? 制服? 場所(通いやすいとか)? クラブ活動? 

実際、たいていの人は、行きたい学校ではなくて、行ける学校を選んでいる傾向が強いと取材を通して感じています。というのも、現状の中学校の進路指導は「将来を見据えたもの」というよりは「今の成績で入れる高校」への指導がほとんどだからです。

実際、LDやディスレクシア、ADHDなどがあり、そのニーズに応じた指導や評価の際の配慮がないと具体的な点数に結びつかず、内申点が取れません。そのため進学できる高校の選択肢は限られ、「内申が悪いから行ける高校なんかどうせない」(14歳・男・神奈川県)「ノートや宿題を出し忘れるし、テストも解答欄などを間違えていつも平均点以下。この間の進路指導で、自分が行きたい高校には内申は書けないと言われて、やる気は完璧になくなった」(15歳・男・埼玉県)となりがちです。

 しかし、内申に合わせた高校に行ったとしても、不登校になったり、中退したりするケースも決して少なくありません。

LDADHDの子どもがテストの点数だけで高校を選ぶと、認知レベルや興味関心のレベルに合わない学校に行くことになってしまい、授業や友達と話が合わず居場所を無くして不登校になったり、他の問題(摂食障害など)を起こすようになったり、その結果、辞めてしまったり……。

成績だけで選ぶと、やはりなかなかうまくいかない現実が待ち構えていそうです。

 

ところで、こういった進路指導上の問題とは別に、本人や保護者も、高校にどういうイメージを抱いているのか、何を求めるのか、その後の人生をどう考えるのか、今一度よく考える必要があると取材を通して痛感しています。

取材したなかでも、受験時には発達障害に配慮してくれた私立高校が、いざ入ってみるとニーズに応じた支援や指導は一切なく、対応は養護教諭やカウンセラー任せだったり、発達障害でも大丈夫だというので入学した公立高校が、些細なことで学校内でパニックを起こしたら「こんな子はウチでは無理だから転校してくれ」と担任から言われたり、特別支援高等学校は就職率がいいので入学させたら、入学後「なぜ自分があの学校に行かなければいけないのか」と本人が言い出し不登校になってしまったり。「こんなはずじゃなかった」という事例はいくつもありました。

そこに共通して垣間見えるのは「何のために高校に行くのか」「高校に行ったら何をしたいのか」「高校を卒業したらどうしたいのか」「社会に出たらどうしたいのか」といった本人のビジョンが弱いことでした。

中には、意に沿うような高校にいけないのであれば中卒でいいと本人が決めるケースもあるのですが、現実問題として中卒だとなかなか仕事に就けないということもあります。そういったことも視野に入れたうえでの選択ならば問題ないのです。ところがそうでないと、結局は引きこもって行ったり、反社会的行動をとるようになってしまったり、ということになったりもし、簡単にはいきません。

 

みなさんは高校の選択、どのようにやっていますか? あるいはどのように決め、今、その選択についてどう考えますか?

 

人生を楽しみましょう@鈴鹿サーキット
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