いつもご説明しているように
逸脱を研究する学問の科学的根拠に基づけば
人の社会適応の有無は
1つの要因だけでは決まりません。
発達障害など生得的要因があるから、もしくは
機能不全家族に育ったとか虐待を受けたとか
いじめられたなど環境的要因があるから
不登校になったり引きこもったり
非行に走ったり家庭内暴力を振るったりするわけではないのです。
人間はそんなに単純ではありません。
大事なことは個々の課題を
システム論的に捉え、分析し、
解決のためにアプローチすることです。
しかしながら、昨年は
若者たちの自立と社会参加の状況の二極化が
完全に定着したことを痛感させられた1年でした。
想像以上に多くの教育者や保護者たちから
「(あの生徒は)●●だから社会適応が難しいのは仕方がない」
「(うちの子は)〇〇だから自立はできないと諦めている」
という言葉を聞き、
実際に不適応を起こしている
子ども若者たちに恐らく過去最高と言っていいくらい
多数会いました。
ですが、子ども若者たち本人は皆こう口を揃えるのです。
「先生も親も障害だから(無理をするな、仕方ない云々)と言う。
でも、自分は本当は少しでも変わりたい。
ただ、どうしたらそれが本当にできるのか
そのやり方がわからないんだ」と。
そこで昨年は、そんな彼らの思いを受け
さまざまな条件下の子ども若者たちを
社会適応させ自立させていく指導組織を作りました。
これまでのところ100%の成果を上げており、
長期ひきこもりから国家公務員や地方公務員になったり
就職したり、起業した若者たちを輩出しました。
幼稚園や小学校から不登校だった子たちも
学校に戻り、今、青春を謳歌しています。
子ども若者たちの、そしてその保護者たちの
こぼれんばかりの笑顔に深い喜びを感じる日々です。
また、私も個人的にご依頼をいただき
ディスレクシアやLD等発達障害のある
子ども若者に英語と日本語を教えるようになりました。
英検に満点で受かったりTOEICで高得点を取れたりと
成果が出たのは嬉しい限りです。
今年も理不尽な現状に飲み込まれたりすることなく、
自分で吟味し、判断し、決断し
1mmでもよい状況を創り出し前進していけるよう
バランスの良い、エビデンスベースの情報を
伝えていきたいと考えています。
焦らず、でも諦めず、
荒波を乗り越える耐性を一緒に養っていきましょう。
Living Well is the Best Revenge.
(優雅に生きることが最大の復讐である)
---Calvin Tomkins
2019年1月
品川裕香
★お問い合わせ、ご相談をたくさん頂戴しております。
なかなかお返事ができず、大変申し訳ございません。
ご連絡先がわかる分につきましては
一つひとつ返信させていただいておりますので
しばしお待ちくださいませ。
基本的に急を要すると判断したものからお返事しております。
★★上記のような理由から、HPもほとんど更新できずにおります。
ご理解賜りますと幸いです。
❤『怠けてなんかない!』の絵本版が4月8日に出ました!
『なまけてなんかない! ディスレクシアの男の子のはなし』(岩崎書店 2017)
子どもから大人まで〝ディスレクシア〟を知る入口になることを願っています。
❤翻訳絵本が1月17日に出ました!
『ぼくはスーパーヒーロー アスペルガー症候群の男の子のはなし』(絵本:岩崎書店 2017)
❤合理的配慮について書きました! 重版かかりました! 御礼申し上げます!
『ディスレクシア入門』加藤醇子編(日本評論社 2016)
2016年11月30日の日経新聞でも「就職前に読みたい本」の一冊として紹介されました。発達障害の有無や年齢に関係なく、私自身が若い時に知っていたら、と思うことが多々あり、全ての人に読んでいただきたいと思って書いた渾身の一冊です。
岩崎書店から新刊『いじめない力、いじめられない力』が7月17日発売になります。
本書は2009年4月から2011年5月まで月刊誌『VERY』で連載した『学校のソムリエ』を大幅に加筆修正したものです。発達障害がある人もない人も,困難に立ち向かうために必要な力について紹介しました。
犯罪を考える学問が持つ保護要因に注目し,どういう力をつけたら困難を乗り越えることができるかについて,またその力をつけるためのトレ―ニング方法をご紹介しました。発達課題のある人,より進めて学びたい人も使えるように,トレーニング方法も多様に紹介しております。ご高覧いただけますと幸いです。(岩崎書店・1512円)
ネットで無料登録すれば読めますので、ぜひご高覧ください!
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11098746.html
直木賞作家・白石一文氏の新刊
『彼が通る不思議なコースを私も』
(集英社・1,680円)のなかで
拙著『心からのごめんなさいへ』や
宇治少年院等での取り組みが紹介されました。学習障害を持つ子どもたちへの
指導に情熱を傾ける一人の優秀な教師と,
その教師と出会ったことで人生が変わる女性の物語です。
これまで生きることの意味,運命について多くの作品を発表してこられた
白石さん。その白石さんが,特別支援教育がスタートして8年目に突入する今,
このテーマで本を出されたことの意味を教育にかかわるすべての人が
考える必要があります。
私が知る限り,主人公・林太郎のような思いを持つ現場教師は
決して少なくないのですから……。
林太郎がやっていることの意味が分からない人に
教育を語る資格などないと私は考えています。
政治家から教育者,保護者まで多くの方にお読みいただきたい一冊です!